一汁一菜
土井善晴さんの本
「一汁一菜でよいという提案」
この本を知ったとき、すぐ本屋に行きました。
やわらかい関西弁で料理をしながら時折、
ピシャリと本質的なことを仰る雰囲気が
子供ながらに
好きなような怖いような
そんな感情を抱いていました。
因みにわたしの祖母は、お父様の土井勝さん世代。
おせちの黒豆は今も勝さんレシピで作っています。
本の中では
家庭料理は美味しくなくていい
気負わなくていい
美味しくレストランのように作ろうとしたり
雑誌やレシピ本の雰囲気を目指したりして
プレッシャーを感じてる人が多い気がするから
というようなことが書かれていました。
きょうの料理でも
時々お味噌汁を作ってらして
「もうね、なんでもいいんですよー
入れる食材はその時あるものでいい
順番も気にしなくていい、始めから全部入れておいていい
具が何もなければ味噌自体が大豆なのだから、何もなくてもいい」
と
あの番組にしては、かなりチャレンジなことを仰ってた気がします。
料理に対する
上手くやらなくてはというプレッシャーを与えるイメージや
苦手意識を
やわらげるように意識してる
その意図がバンバン伝わってきて
土井さん、本気やな、と思いました。
日本人がお味噌汁を食べるということを、
今の若い人こそがやらなくては意味がないから。
今を生きる若い人たちがお味噌汁を食べ続けるように
お金がなくても
材料が揃っていなくても
大丈夫だということ。
美食とはまた違う視座で
日本人の日々の食卓を提案している
大事な教育が詰まった本。
好きすぎて
料理しながら開くから
だんだんページがこてこて、ボコボコになってきて
2代目を買おうか検討中です。