出汁をとる暮らし
ここ京都は
食い倒れならぬ
パン倒れ、コーヒー倒れの街で
わたしも、パンとコーヒーはとっても好きです。
好きな本屋はひとつ、またひとつと
街から姿を消してゆくのに(これがけっこう心にこたえる)
パン屋は異常なほどに繁盛してゆく不思議。
パンに罪はないけど
なかなかの中毒性があることは確かで
体質やコンディションによっては
少し距離の取り方が大事だなと感じています。
今年に入ってから
職場の契約が打ち切りになったり
引き継いだり
転職したり
とても気忙しい日々を送っていました。
怒涛の1~3月を送ったので
20代前半に3年寝太郎をしていた頃のわたしからすると(ずっと実家で寝ていました。)
想像もつかないくらい動きました。
4月から新生活で
よろしくお願いしますと
お辞儀してまわる苦手な儀式も終え(これだけでヒットポイントかなり減る)
メモを取り、ノートにまとめる。
呼吸が浅くなりがちな日々。
こんなことをしていると
食事がおざなりになってきました。
気がついたら
パンばっかり食べてた。
近所に人気のコッペパンやさんがあって
お昼は殆どそこで買ってました。
そしたら
次第に、忙しくない時もパンを選ぶようになっていた。
花粉症も手伝って
体調はスッキリせず、疲れが取れない。
眠いし、肌ツヤがあんまし良くない。
なんか気持ちもクヨクヨする。イライラする。鼻水止まらない。なんか不調。
いよいよこれはまずいぞ、と。
それで今日やっと
体の声に耳をすませたところ
「出汁がほしい。力のある果物が食べたい。
栄養入れて。」
と聞こえてきて。
お味噌汁、雑穀ご飯の生活に戻しました。
そしたら体が喜ぶこと喜ぶこと。
いりこ、昆布、鰹を全て入れて沸かした出汁に味噌をとき、ワカメ、ネギ、茹でたほうれん草の入ったお椀に味噌汁を注ぐ。
出汁はそのまま食べます。
見た目はごちゃごちゃの、原始的な汁物。
ああ、これこれ。って体が喜ぶのです。
出汁ってほんとにすごい。
細胞が喜ぶ味とはこのこと。
お腹から安堵感が広がりました。
味のほんとうの快楽は
出汁にあるのかもしれないなと思いました。
少なくとも
中毒的ではないものに、
人生の本当の快楽がありそうです。
出汁と味噌と米、海藻、青菜、豆類
地味だしお洒落じゃないけど、
原始的でどこまでもたくましい。
そんな面子たちに助けてもらって
疲れていた体の
生鮮度を取り戻して行きたいなと思いました。